アレルギー性鼻炎のレーザー治療の実際
アレルギー性鼻炎のレーザー治療は保険でも認められている治療法であり、治療成績が良く、副作用も少なく、普及している治療法です。副作用が少ないことから、薬を服用できない妊婦もレーザーで治療可能です。
通院でレーザー治療(レーザー治療を手術という)ができ、治療(手術)後も普段通りの生活ができます。
しかし、その効果はどうなのでしょうか?副作用はあるのでしょうか?
レーザー治療の保険適応と費用
アレルギー性鼻炎のレーザー治療は保険で認められている治療法であり、保険適応となります。レーザー治療の費用は、1万円程です。
- 保険適応
- レーザー治療の費用は1万円程
レーザー治療での鼻粘膜への作用
鼻の中に下鼻甲介という部分があり、鼻から吸い込んだ空気はまず下鼻甲介に当たります。吸い込んだ空気の中の抗原が鼻粘膜に付着し、アレルギー反応を起こすのですが、主にその下鼻甲介付近でアレルギー反応を起こします。
アレルギー反応を起こす下鼻甲介の粘膜にレーザーを照射すると熱により、照射部位を蒸散させる(表面を削り取る)ことで、周囲組織のたんぱく変性が起こり、ことによりアレルギー反応を抑制し、くしゃみや鼻水の症状を抑えます。
- 下鼻甲介の粘膜にレーザーを照射
- たんぱく変性により鼻水が出なくなる
レーザー治療の適応
- 1年のうち長期間アレルギー症状が続く方
- 症状が強く、常に薬の服用をしなければ快適な生活ができない方
治療の時期
花粉症の場合は、花粉症のシーズンの前にレーザー治療を終わらせておくことが理想です。
レーザー治療の流れ
- レーザー治療の適応であるか診察し、レーザー治療について説明を聞く。
- 鼻内の表面麻酔をする。
- レーザーを照射する。(両方で約10分)
- すぐに帰宅可能。
レーザーの種類
下鼻甲介粘膜の表層部、繊毛上皮から上皮化固有層まで浅い部分を焼くので、炭酸ガスCO2レーザーを使用することが多いです。
治療の効果
粘液を出す細胞が削り取られるために鼻水が減り、下鼻甲介の粘膜上皮の変性により粘膜の浮腫が起こりにくくなったり、知覚神経末端が減少するためにくしゃみが減ったりします。
効果は個人差があり、中には効果が現れない人もいます。徐々に粘膜上皮が再生して行くので、1年から2年でアレルギー症状は戻る可能性があり、これも個人差があります。
レーザー治療は基本1回ですが、効果が不十分な場合は2ヵ月以上間隔を置き再度レーザー治療をする場合があるとのことです。
副作用・欠点
- 効果は個人差がある。
- 効果の持続は2年程であり、粘膜が再生するとアレルギー症状が戻る。
- レーザー治療後は炎症性反応として鼻水が出ることがあり、この症状が数日続くこともある。
- レーザー照射した部位に痂皮(かさぶた)ができることがあり、鼻づまりの感覚がある人もいる。
- 痂皮を取るためにもレーザー治療後も通院が必要
- レーザー治療中に、焦げるようなニオイがする場合がある
レーザー治療に対する不安
治療中、痛みはあるのか?
レーザー照射を行う表面の麻酔をするので、強い痛みはないと思います。
ニオイに鈍くなることはないか?
ニオイを感じる嗅裂部は、レーザー照射部位と離れているため、ニオイに鈍くなることはないです。